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比企地域任意合併協議会に対しての住民の不快                               
       東松山市民の意見より

1、市町村合併と合併特例債                      

比企地域任意合併協議会に関する様々な問題の根本にあるのは、選挙で選ばれた者の住民軽視と公共事業・借金に対する感覚のまひである。

今回の合併問題は合併特例債を抜きに考えることはできない。

平成173月までに合併しないと特例債を利用できないことからこれに間に合うよう事務を進めたいため非常に無理なスケジュールを組まざるをえなかった。それが「住民意思を無視した違法な手法につながったと考える。

8市町村それぞれの住民にとって合併が必須の課題なのかという根本の問題に対す考察は全くされていなかった。

「住民にとって必要だから」ではなく、「特例債がもらえるから」の合併である。    「国がすすめることだからやる」では、地方自治の確立、住民自治に基づく民主主義の実現には程遠い。

合併特例債は「借金」である。合併特例債というのは新市の建設計画に則って事業をする場合総事業費の95%を上限に借金ができ、その借金の返済も70%まで国が交付税で面倒をみてくれるというものだ。たいそう好条件のようだが、あくまでも借金である。

残りの30%分とその利息は返済していかねばならない。

この8市町村の場合、上限いっぱいまで特例債をつかうと30%分は191億円となる。

これが新市の抱える借金となる計算であった。

    この交付税で70%の借金を賄えるというのもおかしな話で、国が地方交付税を減らすための合併を特例債で推進することにより、かえって、交付税が増えてしまうという非常に矛盾したものである。

    ところでこの借金はだれが返すのだろう。

    自治体の借金も国の借金も結局返すのはそこに住み、税金を納める私たちである。ところが、この合併では返済を負うはずのわたしたち住民の側がその借金をするかしないかの決定に全く関与できない状態であった。何に使うのか、その使い方は私たちにとって、必要なことなのか判断し、意見表明する場がなかった。長の恣意的で自治体そのものの枠組みを変え、新たな大きな借金まで抱える決定がなされるなら、住民には借金をしないでくらす自由、借金をしない街づくりを進める自由もないことになる。私たちがした、させられた借金はこどもたち、孫たちが返済しなければならない。今、選挙権も持たないものに負わされるこのことに強い怒りを覚える。

 

2、特例債と公共事業

この特例債は公共事業という名のハコモノ建設に使われる。比企8市町村が合併した場合、700億円近い金が使えることになっていた。特例債で活性化をという声があるが、ハコモノ建設は特定の業者が潤うだけで、長期的な地域の活性化にはつながらず、かえって環境の悪化を招く。住民にとって決して+になるものではない。借金・箱物行政が住民にもたらすものは夕張の財政破綻の示すとおりである。日本は以前からGDPに対する公共事業の割合が大きく(9%近い・他の先進諸国は2から3%)国共事業に税金を投入することへの警戒感がない。又非常に借金をしやすいので、借金に対する感覚も麻痺している。返せる額かどうか考える前に借りられるなら借りてしまう。

自治体の仕事は、住民の福祉増進を図ることを基本とし(地方自治法第1条の2)ているわけである。住民の意向も聞かず、勝手に自治体そのものの存廃を掲げ、ハコモノ作りのための借金をし、それを住民に負わせるものではない。