犯罪被害者の権利を確立する法制度化を求める意見書

 日本の犯罪被害者が悲惨な状況にあることは、松本サリン事件、地下鉄サリン事件の被害が報道され、広く国民に知らされるようになりました。

 これまで、日本では、犯罪被害者の権利確立が進んでいません。犯罪被害者は、犯罪被害者給付金支給法によって、死亡被害者の遺族、重度障害被害者には、一定の補償があります。しかし、被害弁償の制度がなく、医療費、仕事に就けない期間の生活費等を加害者に賠償させようと思うと、新たに損害賠償請求の訴訟をおこさなければなりません。刑事裁判においては、被害者の発言の場はなく、また、犯人の起訴不起訴、公判の日程、担当の検事の名前、判決内容さえ、知らされないのです。現状は、犯罪被害者の精神的な癒しの必要性に目をむけられたばかりですが、制度として確立していません。

 国連の犯罪被害者に関する司法の基本原則宣言に則って、早急に犯罪被害者の経済的支援、精神的な癒し、被害者の知る権利等の、犯罪被害者の権利を確立する法制度化を求めます。

 以上、地方自治法第99条第2項の規定より意見書を提出します。

平成10年6月 

内閣総理大臣
法務大臣

嵐山町議会議長  千野良之