先日、子どもたちがやってきたとき、
「アイシテル、読んだ?
小学6年の子が1年生を殺してそのことのドラマの原作だけど
買おうと思っても、書店には売り切れててないんだよね。」
「へエー、オークションかなあ」といって、送料込みで1000円までなら買おうということにしたら、うまく落札できた。
昨夕、届いた。

伊藤実という作者、調べているなあとそのプロフィールを探したがない。
小学校6年生の男の子が小1の子を殺す・背景に性暴力があり、それを母親が察知できなかったこと、殺された子が殺した子の家族への批判に対しての衝動の犯罪。
被害者家族と加害者家族が描かれている。

こどもの殺人までの暴力の背景には家族による性虐待が要因のひとるであることは、イギリスの少年による殺人事件のレポートを読んで理解していた。
改めて性被害による傷の深さを感じる。

こどもが普通に大人になるには並大抵ではない。さまざまな事柄を超えていかなければならない。大人に成長するということが時々奇跡のように思えることがある。

大学時代の恩師が「親がなくても子は育つではなく、親があっても子は育つと考える」といっていたのも思い出す。

子育ての最中の親は、こどもの生命が奪われることはもっとも関心が高い事件だ。
私も子育て中はこの子がいなくなったら、私は生きていけないだろうという思いは常にあった。今は普通に成人してくれたことに感謝している。

「アイシテル」では社会が母親に子育ての責任を負わせていることに対してのアンチも被害者母親と加害者母親の手紙のやりとりを描くことで出していて、原作者の巧みさを感じた。

犯罪被害者の感覚から遠ざかっていたが、人の育ちの感じ方の根幹のようなところをコミックで描いていて上手だ・・・